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2006.07.07

福岡オリンピック招致--財政ダイジョーブ…じゃないよ(2)

福岡市はこうも言う。

・オリンピック開催後の2015年度に、市債残高は今より1,000億円減る

オリンピックの開催と福岡市の財政について より)

「だったら大丈夫か」というと、そうはいかないのだ。
これは、「10年経っても市債残高(一般会計)がまだ1兆2,000億円もある」ことを意味している。

上記サイトの3ページ目のグラフ「市債発行額、公債費の推移見込み」を見るとわかるが、平成15〜18年にかけて減ってきた市債が、オリンピックをやることになると「減らなくなる」のだ。前日のエントリーで書いたように、市債(借りる金)を減らしてきたのは「借金減らしへの努力途中」なのであるから、その方向性を放棄するということだ。今でもまだ借金が多い状態なのに、その状態を今後10年も続けることに他ならない。

このグラフで、青い線(公債費(借金の返済))が平成16年以降高い水準で続いている。多額の借金返済が長く続いてしまうよ、ということである。
福岡市の起債制限比率(歳出のうち、借金返済の比率)17.9%は、政令指定市では神戸に次ぐ高率だ。一般的には10%以下が望ましく、15%を超えると黄信号だという。さらに、20%を超えると、原則として単独事業の起債ができないことになっている。

※ちなみに、全国の都市の平均:11% 政令指定市の平均:15.4%
政令指定市は事業の規模が大きく、多額の借金をしがちなのだと思う。
それにしても福岡市の17.9%は、神戸のような大震災があったわけでもないのに高すぎではないか。福岡西方沖地震があったが、昨年今年と市債を大幅に増やしたわけではないので無関係。

「黄信号」を10年間続けることになるのに、「借金が増えないから大丈夫」と言う福岡市は、あまりに無責任というか脳天気というか。
オリンピック開催に向けて、費用が市の予測(*)通りにいかない(施設建設費が高くなるとか、民間資金が目標額より少ないとか)場合、ヘタすると起債制限比率20%を超えてしまう。財政再建団体の一歩前のような状態で「世界に知名度を」などと言っておれるのか(別の意味で知名度上がるかも)。

いざとなったら国に助けてもらう…はもう通用しない。三位一体改革で地方への補助をどんどん減らす方向は変えられないのだから。
そうなると方法は一つ。市民負担を上げ、市民サービスを下げることになるだろう。市民に夢と希望を与えているのだから、市民はもっと金を出して、低サービスで我慢するのだと。

(*)「市の予測」がまた曲者なのだが(実はこれが一番問題)については後日書こうと思う。

ところで、
福岡・九州オリンピック・パラリンピック招致をご理解いただくためのQ&A
(アンケートに同封した資料か?)には、

現在の市債残高(一般会計)は、約1兆3,000億円です。市の年間収入(一般会計)は、毎年約7,000億円程度なので、年収600万円の家計に置き直すと約1,100万円の借金です。

とあるが、これにはインチキがある。

公営企業と特別会計の借金残高を入れると2兆7,000億円だから、年収600万円の家計に例えたら約2,300万円の借金だ。住宅ローンを組むとそれくらい一般世帯でもあるのだが、10年経ってもほとんど減らないローンって、どうよ?

2,300万円のローン返済のある人が、次の年に100万円返済し、新たに64万円を借りる。それを10年続けて、残りの借金は約2,000万円。健全な金銭感覚の人のやることではないと思う。
(国や自治体の財政を一般の家計に例えるのは妥当ではないと思うが、福岡市が例えていたのでそれにならってみた)

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