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2006.07.08

福岡オリンピック招致--財政ダイジョーブ…じゃないよ(3)

7月6日のエントリーで「地方分権21世紀ビジョン懇談会」のデータを挙げた。
この報告書(案)をまとめたのは猪瀬直樹氏である。
報告書で福岡市が取り上げられた理由は次の通り。(青字:引用)

 地方分権21世紀ビジョン懇談会では、都道府県および政令市のなかから具体的なケーススタディーによって財政分析を行った(第8回、第9回)。対象は、財政分析指標として地方債協議制スタート(06年4月)により採用された実質公債費比率の試算値(02年度〜04年度3カ年平均)から財政状況の最も厳しい県を選び、同時にその人口規模・面積・財政需要などが同レベルで、実質公債費比率のほか起債制限比率、経常収支比率でみても財政状況が上位の県と比較した。

 政令指定市では福岡市が実質公債費比率がトップ、比較する都市として人口規模や地政学的位置から札幌市を選んだ。

 都道府県では長野県が実質公債費比率がトップ、比較する県は、人口と面積がほぼ同じで隣り合う岐阜県を選んだ

日本国の研究 不安との訣別/再生のカルテ 6月8日号)

福岡市と長野県は、政令指定市と都道府県の中で最も借金の率が高い、財政の厳しい自治体だといえる(長野県が「近年オリンピックを開催した自治体」なのは偶然ではあるまい)。
猪瀬氏は別段福岡市に恨みは無いであろう。一番借金が多いからケーススタディとして取り上げたまでだ。

福岡市の借金全体の比率は22.8%

上記引用に「実質公債費比率」という言葉が出てくる。

実質公債費比率は、自治体の会計=[一般会計・特別会計・公営企業会計]全部の借金の比率のこと。
前回書いた「起債制限比率」は、「普通会計」(一般会計+特別会計)の借金比率のこと。
ちょっとわかりにくいので図示するとこうなる。福岡市は起債制限比率17.9%、実質公債費比率は22.8%にもなるという。こちらは神戸市まで抜いて政令指定市ワーストの借金率なのだそうだ。
Syakkinzu_1

実質公債費比率は今のところ02 年度〜04 年度(3カ年平均)の試算値はあるが、03 年度〜05 年度のデータは作成されていないとのこと。05 年度決算は06 年秋に確定する。(地方分権21世紀ビジョン懇談会報告書(案)p.24)
22.8%というデータは「日本国の研究 不安との訣別/再生のカルテ」 6月15日号(猪瀬直樹氏)から取った。

福岡市の市民団体「“いらんばい!福岡オリンピック”の会」のブログにおいても、実質公債費比率22.8%と記している。

ところで、「日本国の研究 不安との訣別/再生のカルテ」 6月15日号には、猪瀬氏と福岡市幹部とのやりとりが出ていて面白い。

猪瀬氏は「財政面から福岡市にオリンピックは無理だ」と週刊文春に書き、それを見た福岡市幹部が猪瀬氏にメールを送ってきた。

「大臣の諮問機関の委員さんともなると偉くなるのですか」
「いつでも福岡に来てください。そして直に福岡の街と市政の現場を見てください。時間はとりますよ」

と書いてあったそうな。

福岡市幹部の方、どうぞ福岡の市民に会って説明してください(猪瀬氏に会うのもいいけど)。
22.8%もの借金率で、オリンピックやって、どのように財政健全化できるというのか。なおかつ子どもに夢を与え弱者にも優しいまちづくりができるのか。
日々福岡で暮らす市民の多くはこう思っている。
「人工島、博多リバレイン、ベイサイドプレイス、地下鉄七隈線…。市の大型事業は失敗続き。それでもまだ懲りずに今度はオリンピック。どれだけ無駄な金を使えば気が済むのか」

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受信: 2006.07.30 16時13分

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