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2006.07.29

福岡オリンピックに反対--NHK番組への疑問

28日夜、NHK総合テレビ(福岡ローカル)で「九州沖縄スペシャル--討論・福岡市五輪招致」の放映を見た。九州と沖縄のみのローカル番組である。

福岡市のオリンピック招致を、賛成・反対・その他の立場の人が討論。
出演者は
江頭・福岡市副市長
鎌田・招致推進委員会会長
玉木正之氏(スポーツライター)
神野直彦氏(東大教授・財政問題に詳しい)
脇 義重氏(「いらんばい!福岡オリンピック」の会)
司会:岡野アナウンサー

大雑把に言うと(敬称略)
招致当事者・賛成派=3人(江頭・鎌田・玉木)
招致反対派=1人(脇)
賛否は言わないが招致に疑問=1人(神野)
賛成寄り=1人(司会者)←(これについては後述)

であった

番組制作者(NHK福岡)は、賛成・反対、双方の意見を紹介し、中立の立場で進めたつもりなのかもしれない。
しかし、実際はフェアでない内容だったと私は思う。
出演者の構成でも明らかだ。否定的な神野氏と賛成寄りの司会者(*)を除くと、賛成:反対=3:1だし。

*「賛成寄りの司会者」と書いたのは、次のような流れがあったからだ。

・福岡市は市民への説明が足りない、という話が出る。
(市民の多くが財政に懸念を持っているアンケート結果を紹介)
・玉木氏「ハードでなく、ソフト面の策が大事だ」
・シドニーオリンピックを契機に、オーストラリアが国を挙げてスポーツに親しむムーブメントを起こし、その結果一般市民の健康が増進して医療や福祉の費用が軽減した例をビデオで紹介。
・司会者「こうした説明をされれば、脇さん(反対者)も賛成するのではないですか?」

ちょ、ちょっと待った!!

市が説明をちゃんとすべきなのはその通り。説明不足や招致運動の経緯の不透明さなどはたいへん問題である。
しかし、だからといって
「説明がちゃんとされれば賛成するでしょ?」
という話に、なんでスンナリつながるのか。

番組では、招致に名乗りを上げたが、市民の意見を聞いて立候補をやめた札幌市の話も出していた。札幌市は財政状況、五輪開催のメリット・デメリットなど、福岡市より丁寧に説明し、その結果、市民の意見は反対が賛成を上回ったのである。

「説明すれば市民は賛成する」とは限らないのだ。
※ついでに言うと、札幌市より福岡市のほうが市民一人あたりの借金が多く、財政状況が悪いことは客観的なデータが明らかにしている。

そもそもオリンピック開催、招致は良いのかどうか、を問題にしているはずの番組で、「説明が足りない・説明の仕方が良くない」ことに問題を焦点化し、「招致は良いことだ」があたかも前提のようになってしまった。
司会者は意識的か無意識なのかはともかく、賛成に誘導したのである。

このような番組の流れには非常に疑問を感じた。

「説明すれば賛成してくれる」とは、福岡市長の言い分そのままだ。
ジャーナリズムが行政側(推進側)の広報の役割になってしまってはいけない。それではなんのための公共放送だ、と思うのである。

****

NHKは市民に賛否を尋ねる世論調査をしていないようだ(番組では出てこなかった)。地元民放TV局2社の調査では、いずれも66〜67%が反対、という結果がある。反対が賛成の少なくとも2倍あるのだ。
今からでもNHKは世論調査をしてほしいものだ。番組への意見も募集していたし、大雑把に賛成意見・反対意見はどれくらいの割合か、公表してほしい。

***
本日の意見の一部をNHK公式サイトに送った。

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番組ゲストは市職員1名、招致事務局1名、招致賛成派のスポーツライター1名、中立(?)の大学教授1名、招致反対市民団体代表1名。 アナウンサーがまとめることもなく、賛成論者のゲストにほとんどしゃべらせるだけしゃべらせて、あげく中途半端な終わり方。 NHKは放映..... [続きを読む]

受信: 2006.07.29 23時51分

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