「福岡vs東京」に妙な思い入れ
オリンピック招致選考レース、福岡vs東京 に、「象徴的な構図」を描いて思い入れをしているのが目についた。
代表的なのを挙げてみる。
・地方vs中央(地方分権か否か)
これは麻生福岡県知事がよく言っていた(山崎福岡市長も)。
しかし、東京都だって地方自治体なんだから、この構図はおかしい。
普通、地方対中央というのは、地方自治体と政府(総務省とか)を対置させるもの。福岡市と東京都は、地方都市と首都、とは言えるけれど、地方分権にYesかNoか、という話ではあるまい。
・地方vs東京
これは事実関係として間違いではないが、次のように見るのはどうなのか。
東京への一極集中批判
「金持ち(東京のこと)」批判(姜尚中氏)*1
日本中の村は福岡を支援(石山修武氏)*2
福岡は格差社会打破を提案(石山修武氏)*3
いずれも福岡支持者から出たものだが、自身の思い入れを福岡vs東京にかこつけているんじゃないのか、と思う。
東京への一極集中批判は、福岡は九州の東京、ミニ東京であることを棚に上げている。九州各地を訪ねると、九州では福岡一人勝ちか、と感じることが多い(そんなにあちこち行っているわけではないが)。
福岡招致賛成者のブログ(中国「風」大地)に次のような批判コメントが書かれていた。(青字:引用)
「福岡の一極集中」
これは麻生外相も、大都市(福岡含む)とその他との格差が広がっていることが問題、という趣旨の発言をされていました。今回の構図は「首都対地方」の構図ではなく、「東京対ミニ東京」勝ち組が自都市の再開発を目指し、五輪を利用して国税分取り合戦をしていると考えます。
(近郊住人さん)
全く同感。
(このコメントは消されてしまうかもしれないので引用した)
福岡オリンピック構想は、九州における福岡一極集中を進めるものであり、さらにあの計画は福岡市の中でも天神一極集中をもくろむプランだった(オリンピック後の都市開発で)。
東京一極集中は良くないからと言って結果的に福岡一極集中を支持するのは「同じ穴のムジナ」ではないか。そもそもオリンピックのような大イベントを招致することが「一極集中排除」になるわけない、と思う。
(注)
*1…姜尚中氏は福岡側のプレゼンで「金持ちによる金持ちのためのオリンピックで世界に勝てますか?」と東京を批判。
*2…石山修武氏のサイト(「世田谷村日記 210」)より。
*3…石山修武氏のサイト(「二〇一六年オリンピック招致競争 8/28」)より。
下記引用。
格差社会への具体的提案としての性格は福岡のプロポーザルの基本の一つである。(「世田谷村日記 278」も同じ)
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