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2007.11.17

金印シンポジウム--漢委奴国王の謎(その2)

金印シンポジウムの続きです。
私の関心のメインは「漢委奴国王はどう読むか?」。

Kininkoen83

以前の記事でも書いた(「漢委奴国王の読み方」2007年4月3日)が、教科書や公的機関の定説である「カンのワのナのこくおう」は納得がいかない。

シンポジウムのパネリストのうち、岡本顕實氏、塩屋勝利氏、久米雅雄氏は「委奴=ワのナ」説は疑問であるとのことだ。

久米氏は中国語の方言論、印章の研究から「委奴」を「ワ」「ナ」と分けるべきでない、と言う。
また、「委」をワと読むのは「倭」を省略したと考えるからだが、国王を認証する印でそうそう字の省略などするだろうか、と述べていた。にんべんのあるなしは非常に重要なのだそうである。

久米氏は「委奴=イト=伊都」説を唱える。魏志倭人伝に出てくる伊都国(現在の糸島半島、前原市)である。当時の伊都国の政治的位置が高かったと見ている。

岡本氏は「奴をナと読むことにも異論が出ている」とし、読み方の説は実にたくさんあると言う。

折居氏は「奴国をナこくと読んでいいと思う」と言っておられたが、どうやら研究者の間でも「委奴=ワのナ」説は多数派とは言えないないようだ。

*  *  *

読み方は未だわからず、諸説紛々、であるならば、公的にも「カンのワのナ」と言わないで、いろいろある説の紹介とか注釈をつけたほうがいいんじゃないかなと思う。金印を所有する福岡市博物館でも「カンのワのナ」なのは何故なんだろう。

久米氏の「委奴=イト=伊都」説は興味深いが、委と伊は別の「イ」ではないかという話も聞く。この区別はどうなのかお聞きしたかったが、時間がなくて聞けなかった。質問したかったが、質問タイムが少なくて聞けなかった。
(続く)

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コメント

「委と伊は別のイでないか」という点につきましては久米雅雄氏の1983年の「金印奴国説への反論」をはじめ、2004年の『日本印章史の研究』(雄山閣)、2009年の『月刊書道界』8月号「国宝金印の読み方」「銀印青綬『率善中郎将』印の鈕式と印文を考える」(藤樹社:03-3280-4011)などにわかり易い論理の展開があります。Washington⇔Huashengdun(華盛頓)、Peking⇔Beijing(北京)など外国語音訳の共用可能音の実例が示されており、三宅米吉氏の通説の論理は一見厳密にみえるが言語実態からは乖離しているとの指摘があります。ご参考になれば幸いです。

投稿: | 2009.08.23 18時46分

情報ありがとうございます。
ご紹介の本を探してみます。
(次からは名前を書いてくださいませ)

投稿: kiriko | 2009.08.29 03時06分

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