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2007.12.21

新幹線つくってる場合かい?(3)--観光振興になるのか

新幹線ができると観光客が増え、地域活性化する。

と推進派は言うのだが、これは本当だろうか。

「新幹線開業により、前年の在来線と比較して乗客が大幅に増えた」という。
佐賀県サイト「新幹線整備の経済効果」

JR乗客数としてはそうなんだろう。
しかしJRだけ見るのでは一面的なので、旅客全般とか観光客数はどうなんだろうかと調べてみたら、こういう資料があった。

「新幹線開業と鹿児島市観光」(PDF)
図表2 新幹線開業前後の観光客数(宿泊・日帰合計)推移

山形市(山形新幹線1992年開業)・秋田市(秋田新幹線1997年開業)・長野市(長野新幹線1997年開業)・八戸市(東北新幹線2002年延伸)・鹿児島市(九州新幹線2004年開業)
の開業前年〜開業後3年までの観光客推移のグラフである(鹿児島市は開業後1年まで)

八戸市を除くとこんな傾向がうかがえる。

開業の年は観光客が増えるが、翌年からは開業前の水準に戻ったり、かえって以前より減ったりしている。

長野市の開業年の増加が異常に多いのはオリンピックと善光寺ご開帳があったため。
八戸市は開業後1年目、2年目も高水準を保っている。これは他市と違い知名度が低く(県庁所在地ではない)、新幹線によって認識度が上がったのだろう、とこのサイト作者は見ている。

新幹線開業で「必ず」観光客が増えるとは言えない。場所によりけり、ということだ。

長崎市の場合、知名度は元から高いので、八戸よりは秋田市、山形市、長野市のパターンになるのではないかと思う。時間短縮が30分以下だから「新幹線で便利になったから、これまで来なかった客が来る」のもあまり期待できないのではなかろうか。

*  *  *
〈追記〉
近頃「大都市と地方の格差」「地方の衰退」がよく言われるが、「衰退する地方」の代表として出てくる県が、上の「近年に新幹線開業した県」だったりする。
地方の衰退にはいろんな要因があるが、「新幹線では衰退に歯止めがかからない」のだと思う。そりゃあ、開業時に(もの珍しさで)乗客が増えただけ、ではね…。

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コメント

 いわゆる「開業ブーム」という、われわれ日本人の新しいもの好きの特徴をうまく突いた効果でもって、一時的ではあるけど観光客数が増加するのは良くあります。
 でも、これというのは大体1~3年もすれば終わりであると思いませんか。
 それと、観光と言いましても、まだ一度も見たことのない所であれば奈良の東大寺の大仏であれ、五重の塔であれ、「未訪の人」についてはそれだけ見ごたえのあるものです。
 
 でも、「既訪の人」すでに一度でも見に来られた方にとりましてはそれほどモチベーションのあるものではありません。ただし、大人になって自分の子供を連れてくるとかなら別ですけど。
 でなければ、知人にアピールして、より多く未訪の人が訪れるようにならなければ続きません。
 いわば、「毎日 同一人物が来て年間(365日)で???人」ということはないので、ほぼ毎日別な人間が来て(365日以内にもう一回の人もいるかもしれませんが) 年間 何人 であるかが問題です。
 
 当然、ただの「人数」ではなく ほぼ「人物単位」顔まで区別して 「何人来ました」と言うのが本当の数え方だと思います。
 そして、「人物」となりますと、人はいろいろな趣味があり、必ずともみんなが旅行とか趣味であるとも限りません。

 今ではまだ、終身雇用のもとで裕福に来た人もいるから、まだまだ観光の業界は回るのだと思います。
 
 これからは、ただ「家と会社の往復だけ」、「タンス預金」(実際は生活に必要なだけ使い、残りは「倹約」で銀行に給与をため込んでいる)・・・・などが増え、もう余暇の方に小遣い使う割合の多い人はぐんと少なくなります。

 ただでさえも、ニートやフリーアルバイター、派遣労働者が増えているところに、行政側が本気出すのは「観光の活性→それによる浮揚(実際は効果が少ない)」ではなく、全国的に平等を目指すような国策です。税金もヨーロッパ諸国みたいになるべく高所得層からの割合が多くなるようにすることも一つです。

 ただでさえも勤勉な日本人の体質がより一層そうなろうとしているところには、娯楽(生活には直接関係ないところ)からなるべく多く税収を上げようでは、さほど税収は上がらないかもしれません。でも、そういう要素は必要です。

 国民性も全体の奉仕よりは個人個人のわがまま贅沢のいい方に進んできたし、それで一時離婚率がかなり上昇し、晩婚化、未婚化・・・少子化、人口減少のきっかけは進んできました。 それはプライベートなことで国策ではなんとかできないけど、また貧しい国々、前後間もないころの国を見習うところもあります。

 整備新幹線も自民党の票稼ぎ、土建業者へのばらまきだとか言われますが、これこそ「全体の奉仕」というもとの税金の意味合いからかけ離れ、個人個人の利権の方に進んでいるいい例です。
 
 

投稿: ロイヤル/ソロ  | 2008.01.04 21時05分

>ロイヤル/ソロさん
>前後間もないころの国を見習うところもあります

「前後」は「戦後」の間違いでしょうか?
戦後の日本は、豊かさを目指し、鉄道も道路もビルもせっせとつくってきたのです。出生率が激減したのも戦後まもない1950年代でしたし。今、戦後まもない頃を見習ったら、やはり公共土木事業推進であり少子化進行になるのではないかと。

それから、コメントはなるたけ簡潔にお願いします。
持論をじっくり展開なさりたいのなら、ご自分のサイトやブログでお書きになることをお薦めします。

投稿: kiriko | 2008.01.08 08時41分

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