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2008.04.02

税金の無駄遣いとは?

昨今、世間には「税金投入」をヤリ玉に上げる「税金の無駄遣い許せん〜〜」弾を炸裂させる人がいる(あ、私のことか)。

それはそれとして(笑)

一部国会議員が映画「靖国 YASUKUNI」を問題視したのも、この映画に芸術文化振興基金から助成金(=税金。一部は民間から拠出)が出ているからだ。
その額750万円。なんと、国会議員ひとり1年間の報酬の約半分である。

芸術文化振興基金は、映画、演劇、音楽、舞踏、美術、伝統芸能、文化財保存などの活動に助成金を出している。1活動あたり数十万円もあれば2,000万円もある。助成される件数は年間800くらいだ。

助成の応募には資格が必要で、応募した活動は審査委員が評価して助成を決める。

【資格】

1. 芸術・文化に係る活動を行う団体または個人であること。
2. 応募する活動の主催者であること。
3. 特定の企業名等を活動名に付ける、いわゆる『冠公演』でないこと。
4. 慈善事業への寄附を目的として行われる活動でないこと。
5. 宗教的、政治的な宣伝意図を有する活動でないこと。
6. 文化庁の補助金や請負費等が支出される活動でないこと。

【審査の評価要素】

ア 活動の目的及び内容が優れていること
イ 活動内容が具体的であること
ウ 活動が社会的に開かれたものであること
エ 今後の発展性に期待が持てること
オ 予算積算等が適切であること
カ 活動内容が当該団体等の過去の実績等から推測して実現可能であること
キ 芸術団体の運営及び経理が適正であること
ク 助成の緊要度が高い活動であること

以上は芸術文化振興基金のサイトより抜粋。
(ほかに部門ごとの条件が多少ある)

稲田議員らが問題にするのは【資格】の5.(宗教的、政治的な宣伝意図を有する…)あたりだろう。

しかし、映画「靖国」は、靖国神社PRでないのはもちろんだけど、「反靖国」PRとも言えないじゃあないかな。試写を見た国会議員には「反靖国宣伝と思わなかった」人もいるし。
政治的に意見が分かれる問題(要するに南京事件)を伺わせる場面があるからといって、政治宣伝だと断定するのもおかしい。
(それなら「ダムに沈んだ村」を描いた映画は「ダム建設反対の政治宣伝」か? 100年前に海外に渡って心理学を学び、働いた女性を描いた映画は「ジェンダーフリーの政治宣伝」か?)

記録映画は社会性を帯びるものだし、そこに「政治的」をこじつけようと思えばいかようにもこじつけられるんじゃないだろうか。それで「政治的だからダメだ」と言い出したら、記録映画に助成できなくなる(いや、記録映画に限らない。芸術・文化活動には作者たちのメッセージがあるものだ)。

上記の「応募資格」「評価要素」を見ると、あくまでも芸術・文化活動を主体にしていること、しかしながら資金に恵まれない活動を支援しようという主旨だと思える。

稲田議員らは「助成金の使い方が」と言うのだが、経理や使途に不正もないのに、内容がどうこうと言って助成金を返還させるのはそれこそ表現の自由を侵すものだろう。芸術文化振興基金も、助成金を返還させる理由はない、という見解だ。

とすると…
せっかく助成金を日本国の税金から出したというのに、その映画を日本国内で見られないという、

なんという税金の無駄遣いだ!

ってことになりかねないんだが。

ああ、やっぱり「税金の無駄遣い許せん〜〜」で終わったじゃないかこのエントリも。

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