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2009.08.18

民主党のマニフェスト--子ども手当と配偶者控除・扶養控除

民主党マニフェスト:子ども手当・配偶者控除・扶養控除について。

私は「配偶者控除廃止」「扶養控除の一部廃止」に賛成する。

配偶者控除・扶養控除の廃止が子ども手当の財源として説明されたため、

「単に名目を変えただけじゃないか」とか、
「子どもがいない世帯は負担が増える」とかの声があるが、それはちょっと違うだろう。

■名目を変えただけなのか?

→何を(経済的に)支援するか、考え方の転換がある。

配偶者控除・扶養控除は「無収入配偶者・無収入親族を扶養する人」の税金を安くして支援するもの。

子ども手当は「子を育てている人」を支援するもの。

意義が異なっている。

■子のいない世帯は負担が増えるのか?

一部は当たっているが、子どものいない人みんなが負担増になるわけではない。

配偶者控除廃止により、負担が増える世帯(子どもナシ):
 配偶者を扶養し、一定以上収入のある人の世帯

配偶者控除廃止によっても負担が変わらない世帯(子どもナシ):
 共働き または 独身 
 低所得

そういえば「老親を扶養している人の負担が増えるじゃないか」という意見もあったが、扶養控除の「全廃」ではなくて「特定扶養控除」と「老人扶養控除」は継続するそうである。

現行の「配偶者控除」と「扶養控除」は廃止するが、16歳以上23歳未満の「特定扶養控除」と70歳以上の「老人扶養控除」は廃止せず、現状のままとすると説明
(民主党サイトより)
http://www.dpj.or.jp/news/?num=16721

したがって、扶養控除廃止により負担が増えるのは

23歳以上70歳未満の親族(配偶者を除く)を扶養し、一定以上収入がある人

になる。

障害を持つ親族(23歳以上70歳未満)の場合は「障害者控除」が適用される(民主党は障害者控除廃止を打ち出していない)。

  *  *  *

子ども手当とかかわりなく、配偶者控除・扶養控除(一部の)は廃止の方向が良いと私は思っている。

現行の控除は、例えば
夫(年収)500万・妻専業主婦・子を養育していない→配偶者控除あり
夫(年収)200万・妻(年収)150万・子を養育していない→配偶者控除なし
親(年収)2000万・子(独身・健康・無職・成人・非学生)→扶養控除あり
というもの。こっちのほうが問題ありじゃないかと。

税金が増えることに反発を感じるのは人情として仕方ないが、「子ども手当」も「配偶者控除」も「健康な大人を養う扶養控除」もみんなアリ、では、それこそ選挙目当て、財源無視のバラマキじゃあないのかな。

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コメント

私は、控除廃止には反対です。
老人扶養控除は廃止しないといいますが、70歳未満の両親を扶養している場合などは増税になります。
23歳以上の障害者を扶養している場合は「障害者控除が適用される」といいますが、障害者控除は27万円です。
いままでは扶養控除の38万円と障害者控除と両方適用されていたのですから、増税に違いありません。
「子ども手当の財源にする」というのなら、手当のもらえる16歳未満の扶養控除に限って廃止すれば、誰も増税にならないで済むのではないでしょうか。
わざわざ他の人を増税にする理由がわかりません。
例にあげられた夫婦世帯の場合ですが、配偶者控除だけでなく給与所得控除や基礎控除も含めて考えると、年収500万円の片働き世帯は230万円の控除、年収350万円の共働き世帯は219万円の控除が受けられます。
どちらが有利と簡単に言えるような例ではないような気がします。
配偶者控除について「金持ち優遇」というような認識があるような気がしますが、これは違います。
国税庁の申告納税者の統計では、所得200~250万円の納税者は44%が配偶者控除を適用されていますが、所得5000万円超では25%しかいません。
たぶん、金持ちの奥さんは、旦那の会社の役員になったりしていて、配偶者控除はもともと関係ないんだと思います。
配偶者控除を廃止したら、困るのは金持ちではなくて低所得者です。

投稿: ゆうくんパパ | 2009.08.18 10時33分

ゆうくんパパさん コメントありがとうございます。

【扶養控除について】
障害者・高齢者に関する支援は、「扶養する人の税金控除」よりも、本人への支援を主とするのが良いと私は考えます。扶養控除が主では、「扶養する人がいる場合」と「いない場合」の差が生じます。ライフスタイルの多様化、非婚者の増加等を考えると、「家族の扶養を通じた支援」ではそこからこぼれ落ちる人が多く出てしまうでしょう。
今回の民主党のマニフェストは、家族の扶養中心主義から本人支援中心へ転換する方向性が感じられます。扶養控除を続けるよりも、本人支援の拡充を求めたいです。

投稿: kiriko | 2009.08.19 00時53分

【配偶者控除について】
私が配偶者控除廃止を支持するのは、女性の働き方との絡みがあるからです。

パート等で働く主婦の多くは、夫の扶養を外れないように労働調整しています。年収103万円(給与所得者の場合)を越えないようにするわけです。
そして夫が勤め人なら第3号被保険者(保険料負担なし)でいられるわけですね。
このことが、パートの低賃金、厚生年金非加入を維持してしまうのです(それだけが理由ではないにしても)。
低収入・保険非加入を「望んでしまう」ような政策は問題だと思います。

今回、各党が最低賃金引き上げや所得増を掲げています。しかし、「主婦は年収103万円を超えたがらない」税制をそのままにして賃上げ・所得増というのはおかしいのではないでしょうか。

私のエントリの書き方だと「金持ち優遇」を問題にしているみたいになってしまってますが、主眼はそちらではないのです(書き方が悪いと言われればそのとおりです)。

投稿: kiriko | 2009.08.19 03時23分

ゆうくんパパさんの

>国税庁の申告納税者の統計では、所得200~250万円の納税者は44%が配偶者控除を適用されていますが、所得5000万円超では25%しかいません。<

が気になるので(統計データが気になるタチでして)、新しいエントリを書きます。

投稿: kiriko | 2009.08.19 23時06分

>障害者・高齢者に関する支援は、「扶養する人の税金控除」よりも、本人への支援を主とするのが良いと私は考えます。

 扶養控除をなくす代わりに、別の形での支援策が提案されているのであれば、一理あるぎろんだと思います。
 ただ、民主党の提案では、子ども以外の扶養家族には、扶養控除廃止に代わる措置は提案されていません。

>私が配偶者控除廃止を支持するのは、女性の働き方との絡みがあるからです。

 女性の働き方との関係で控除について考えるのであれば、サラリーマンの女性のことだけでなく、夫といっしょに働いている自営業者の妻のことも、ぜひ、考慮してください。
 自営業者の家族従業者は、所得税法56条によって、働いていても「給与」を認められず、そのために、給与所得控除も基礎控除もうけられません。専従者控除を認められている人はまだましなのですが、それすれ認定されず、働いていながら配偶者控除しかない人がいます。
こうした人にとっては、配偶者控除まで廃止されるということは、人間としての最低生計費を認めてもらえないということを意味します。
憲法25条に抵触する問題にもなるのではないかと思います。
配偶者控除の問題は、このように大きな問題ですから、「手当の財源が必要だから」というような単純な理由で変更すべき問題ではないと思います。

投稿: ゆうくんパパ | 2009.08.24 11時29分

>ゆうくんパパさん

>自営業者の家族従業者は、所得税法56条によって、働いていても「給与」を認められず、そのために、給与所得控除も基礎控除もうけられません。<

(※56条「だけ」を出すと誤解される可能性があるので、念のため書いておきます)
所得税法57条に「青色申告者は専従者の給与を必要経費として算入できる」「白色申告者は専従者控除(86万円等)ができる」という規定があります。

家族従業員の労働対価はきちんと認められるべきだと思います。ですから、「控除」を守るより、「給与として認めよ」という方向で働きかけるほうが良いと思います。
働いている配偶者を無所得扱いするのはよろしくないです。

投稿: kiriko | 2009.08.29 02時52分

kirikoさま、こんにちは。
おひさしぶりです。

「子ども手当て」が、話題になっているけれど、
これはもともとは、経済的に苦しい家庭への支援ではなく、
すべての子どもに保証される権利、という目的で作られたのでした。
つぎのエントリで、簡単に触れられています。
http://blog.goo.ne.jp/mizucx/e/5115e331a4dcfc7c31f6066ba3d3bea0

公平さを保証することで、偏見を生まないことについては、
つぎのエントリで考察があるので、ご覧いただけたらと思います。
http://d.hatena.ne.jp/oda-makoto/20091003#1254552814

投稿: たんぽぽ | 2009.10.07 21時51分

たんぽぽさん コメントありがとうございます。
すごいご無沙汰になってしまってすみません。

子ども手当ては「所得差を埋める再配分のため」ではないんですが、誤解している方が多いように思います。
http://d.hatena.ne.jp/oda-makoto/20091003#1254552814
のご紹介ありがとうございます。この方の指摘は鋭いと思います。
所得格差の再配分は、子ども手当てや各種人的控除(配偶者控除、扶養控除等)によってでなく、累進税率で行うべきものでしょう。

投稿: kiriko | 2009.11.04 22時26分

こんにちは。レスありがとうございます。

>http://d.hatena.ne.jp/oda-makoto/20091003#1254552814
>のご紹介ありがとうございます。この方の指摘は鋭いと思います。

わたしが紹介した記事、ご覧いただきありがとうございます。

「受給のスティグマ」の実態はこんなですよ。
母子家庭のこんな現実を見ると、いっそのこと生活保護をやめて、
所得制限のないべつの手当てに、振りかえたほうがいいと思っても、
無理もないかもしれないです。
http://wan.or.jp/modules/articles0/index.php?page=article&storyid=140

投稿: たんぽぽ | 2009.11.07 00時17分

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