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2009.08.21

配偶者控除は低所得層に多いのか?(その2)

ゆうくんパパさんよりコメント

元のデータは国税庁の「平成19年分申告納税者の実態」です。
国税庁のホームページの「統計」のところにあります。
エクセルデータでダウンロードできますから、計算してみてください。

  *  *  *

なお、民間給与所得者についても、最新の平成19年分のデータで、年末調整をしていない年収2500万円超の納税者のデータまで使って比較すると、高額所得者で配偶者控除の適用率が低くなっているのがわかります。
このデータも国税庁ホームページの「統計情報」のところにあります。

そこのページは前から見ています。いくつもデータがあるから、「どのデータの、どの数値」かを示していただきたかったのですが…(それを特定しないと人によって違う計算しちゃう可能性がある)。

それはともかく、私は計算好きなので(笑)計算してみた。

■民間給与所得者の場合

「民間給与の実態調査結果」(国税庁>統計情報)

第17表 給与階級別の諸控除 Excelデータより計算

給与階級    配偶者控除適用率

100〜200万円 3.4%
200〜300万円 9.4%
300〜400万円 17.2%
400〜500万円 27.4%
500〜600万円 37.4%
600〜700万円 46.5%
700〜800万円 54.6%
800〜900万円 57.7%
900〜1000万円 61.5%
1000〜1500万円 65.0%
1500〜2000万円 62.7%

(年末調整していない)
2000万〜2500万円 44.6%
2500万円超 38.1%

============

なるほど、確かに「2000万円超」は「600万〜2000万円」よりは低い。
(600万円以下の層より高いが…)

私は年収1000万〜2000万円の層はもちろん、400万円以上も「低所得」とは思っていないので、この計算から「低所得層に配偶者控除適用率が高い」とは言えないと考える。上の計算から言えるのは

低所得層→配偶者控除適用・低

中所得層→徐々に高くなる

高所得層(1000〜1500万)→最高

超高所得層→中所得層並みに下がる

でしょう。

注:上のデータは平成19年のもの。

「第17表 給与階級別の諸控除」Excelデータの「その1の1」シート 
控除対象配偶者数 ÷ 給与所得者数(納税者)により算出した。

年末調整していない2000万〜2500万円、2500万円超 のデータは、同じページの「第19表 給与階級別年末調整を行わなかった給与所得者数・給与額・税額」Excelデータ「その3」シート
控除対象配偶者数 ÷ 給与所得者数 により算出。

この給与所得者数には独身者も含まれるため、前回エントリのグラフと比べて、特に低所得層の配偶者控除適用率が低く出ている(独身者は低所得層に多い傾向があるから)。

注2:そもそも配偶者控除の廃止は「超高所得層の増税」が目的ではないのだが。「配偶者控除は金持ち優遇だから廃止するんだろう」という捉え方は的を射ていないと思う。

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コメント

岡田克也が現在の配偶者控除と扶養控除を廃止して財源に充てると表明した。悪い政策を正直に言った点は評価する。
夫婦の年金生活者などは増税の打撃を受ける。
一方では、毎年3兆円を高速道路の無料化につぎ込むという税金の無駄遣いをする。
自家用車の利用が増えるから、排ガスも増えて地球温暖化と健康被害が加速する。
商業車は渋滞に巻き込まれて、マイナスの経済効果をもたらす。運送業者が反対するのは当然である。コメントを入力してください。

投稿: 民主党は日教組と在日の政党 | 2009.08.27 14時21分

上のコメントの方へ・管理人から業務連絡

こういうハンドル名はおやめください。
名前はネガティブキャンペーンを書くところではありません。
今後、こうしたハンドル名を使ったコメントは削除します。
「通りすがり」「名無し」等もおやめください。

削除の判断は当ブログの管理人(kiriko)が致します。
どういう名前が良いかわからない方は、次の候補から選んでください。



投稿: kiriko | 2009.08.27 17時26分

こんにちは
丁寧に計算してくださって、ありがとうございます。
たしかに、配偶者控除は中堅所得者で適用率が高いのは事実なのですが、年収400万円程度が「低所得者」とはいえないでしょうか?
もちろん、独身で400万円だったら、「高所得者」という見方もあるでしょうが、夫婦と大学生、高校生の子供がいるような場合、400万円では生活が苦しいのでは?
世帯構成抜きに議論はできないような気がします。
それはともあれ、計算されている数字の中で、年収200万円とか300万円あたりの数字については、ちょっと注意が必要ですので念のため。
というのは、使われたデータが「納税者」のデータなので、年収が低い人で配偶者控除がある人は「非納税者」になってしまって、最初からデータに入って来ないのです。
ですから、「納税者」と「非納税者」をあわせた「給与所得者合計」のデータで計算する必要があります。
また、この統計は分母が世帯数ではなく、「給与所得者数」なので、低所得者層には、独身の若者やパート主婦などがたくさん入ってきます。
控除の対象となっている配偶者自身まで、分母に含まれる場合もあります。
ですから、実態以上に低い数字が出てきます。
その点をふまえて、議論していただきたいと思います。
なお、9月14日の「日経」に興味ある試算が紹介されていました。
一橋大学の高山教授らの試算です(詳細は下記)。
http//www.ier.hit-u.ac.jp/pie/stage2/Japanese  の「DP-454」
これによると、民主党案の「子ども手当」「高校授業料無償化」「控除廃止」を実行した場合、全世帯の18%に相当する920万世帯が差し引き負担増になるというのですが、世帯の年収別に見ると、その約3割弱が年収400万円未満の世帯のようです。
もっとも、これには、給与所得者だけでなく、年金生活者も含まれているとは思いますが、それはあるにせよ、年収400万円未満で、270万近い世帯が負担増になるわけです。
民主党は、選挙中に「負担増になるのは全世帯の4%未満」と説明していました。
実際には、その4倍以上の世帯で負担増になることが明らかになったわけです。
民主党が政権についたら、国民にきちんとした説明をする必要があると思います。

投稿: ゆうくんパパ | 2009.09.14 18時39分

ゆうくんパパさん

とりあえず、↓この点について。
>ですから、「納税者」と「非納税者」をあわせた「給与所得者合計」のデータで計算する必要があります。
また、この統計は分母が世帯数ではなく、「給与所得者数」なので、低所得者層には、独身の若者やパート主婦などがたくさん入ってきます。
控除の対象となっている配偶者自身まで、分母に含まれる場合もあります。
ですから、実態以上に低い数字が出てきます。<

「納税者」と「非納税者」を合わせた「給与所得者合計」のデータで計算すると、分母に学生アルバイトや主婦パート(自身が控除対象の非納税者)まで入ってしまいます。さらに低い率になってしまいますよ。
だから納税者の数字を使ったんです。納税者だったら控除対象の学生バイト・主婦パートは含まれないです。

「配偶者控除を適用した結果、非納税者になっている人」を含み、「学生バイトや主婦パートなど、自身が控除対象になっている人」を除いた「給与所得者」のデータがあればそれが最も実態に近いかと思います。
ゆうくんパパさんがそのデータを知りたいのであれば探してください。

投稿: kiriko | 2009.09.14 22時36分

>世帯構成抜きに議論はできないような気がします。<

について。
世帯構成やその事情を考えるならば、なおいっそう、配偶者控除で家計支援(減税)するのは「あまり良くない政策」だと思います。

配偶者控除は「無所得(年収103万以下)の配偶者がいる」ことだけが適用要件です。子どもの有無、子どもの年齢、学生かどうか、などは関係ありません。
高校生・大学生の子がいて家計が大変だ、という人には、それ自体への支援のほうが良いのではありませんか。学費軽減とか無利子奨学金とか。
高校生・大学生のいる世帯支援のために配偶者控除を使うのは、該当しない世帯まで減税することになります。また、ひとり親世帯や共働き世帯には高校生・大学生がいても配偶者控除では減税になりません。

配偶者控除でナントカするやり方でなく、それぞれの事情(育児とか教育とか障害者とか高齢者とか…)の直接支援に切り替えていくほうが望ましいと私は考えます。
その「直接支援」が不十分ではないかというご指摘はごもっともですので、この機会に民主党・社民党・国民新党連合政権に働きかけていくことが大事だと思います(私も税制を変えるだけで良しとは思っていません)。

投稿: kiriko | 2009.09.14 23時26分

ゆうくんパパさん 情報ありがとうございます。
ご紹介のサイトはURLに:が抜けています。
http://www.ier.hit-u.ac.jp/pie/stage2/Japanese/d_p/2009.html#container
が正しいです。
(No.454 "こども手当"導入効果のマイクロシミュレーション)

「負担増は全世帯の18%」が実態を正確に捉えているのなら、民主党はちゃんと説明(修正)すべきですね。この高山教授らのリポート・提言も民主党は参考にしてほしいです。

高山教授らは基本的には民主党の「子ども手当、配偶者控除等廃止」策を支持しているようです。ただ、民主党案では財源不足で、所得の「上から下へ」の再配分が不十分であるとして、子ども手当・高校授業料無料化や老人控除の所得制限を提言しています。また、消費税アップも避けられないとしています。
高山教授らの提言は、民主党案よりも負担増になる世帯が増えることになります。

私は「全世帯の18%が負担増」は、配偶者控除等を廃止する割には負担増が案外少ないと思いました。負担額の平均は年4万円と推計されるそうです。

投稿: kiriko | 2009.09.15 16時43分

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