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2010.11.27

配偶者控除のゆくえ

配偶者控除について、民主党から異なる提案が出されている。

■民主党子ども・男女共同参画調査会の提言
配偶者控除に所得制限を設けて(子ども手当の)財源を生み出す案を示した。
小宮山洋子厚生労働副大臣は「女性の就業を応援している時に税制が足を引っ張るのは見直すべきだ」と述べた。

■民主党税制改正プロジェクトチームの提言
配偶者控除の所得制限は「一定の所得で区切るのは理解が得にくい」とし、配偶者控除見直しに慎重な立場。

(上記はいずれも朝日新聞11月26日付朝刊の記事より)


民主党内でも、「子ども・男女共同参画調査会」と「税制改正プロジェクトチーム」とでは意見が分かれている、ということかな。

配偶者控除を見直すべき理由は、「子ども手当の財源捻出のため」とか「高所得者優遇だから」とかは、それもあるには違いないが、第一のことではない。
重要なのは、小宮山副大臣が言ったように「女性の就業の足を引っ張っているから(配偶者控除適用を外れないように、パート等の主婦が就労を抑制してしまっているから)」である。

所得制限して高所得者の配偶者控除廃止、それ以外を存続 というのは、何も変えず現状維持よりは良いかと思うが、もっと踏み込んで「基礎控除に一本化、税額控除化(給付つき)」にしたらどうか。
配偶者控除とともに見直しを提言されている成年扶養控除も同様にすればよい。

現状の配偶者控除・成年扶養控除は、扶養から外れないように就労を抑制する効果がある。
ひらたく言えば、「夫や親に扶養力があるんなら、妻や子(成人の)は103万円以上稼がないほうがイイですよ」税制だ、ということ。お父さん(※)がいっぱい稼いで妻子(成人)を扶養している世帯にたくさん減税し、単身者(親から独立して働く人)・家族みんな低所得の世帯 には減税(支援)なし というものだ。
※お父さんでなくお母さんのこともあるが、圧倒的に多いのはお父さん

このような制度を是正するのが「理解を得にくい」ということはないと思う。
2010年度税制改革大綱に「所得控除を給付つき税額控除に」と書かれている。この方針を進めてほしい。

「配偶者控除を基礎控除に一本化」については、過去エントリを参照してください。
2010.8.20「配偶者控除を基礎控除に一本化すべきである」

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コメント

呼び方の問題として、「配偶者」の控除って変だからやめます。(だって所得の問題は全然なしとして、も配偶者がいれば女性も男性も、控除を受けられるとしたら、独身者差別じゃん?)それで「家事撰業者控除」って概念にする方がいいのではないかと、いま思いました。要するに、所得を生みだす主体がそお所得を得るために必要とする経費として「家事専業」を見れば、それを現金評価して支出されたともなして控除するの。本気になったら「シャドウワーク」ってかなりな高価値だけど、まあとりあえず160万円ぐらいししておくかな)

基本的に、男女性別役割分担を固定化しているから価値中立的ではない。配偶者控除はやめて、未成年者と低所得高齢者の扶養控除にするほうが合理的だと思う。(多分、ネオコン的発想でもあるけど)

「配偶者」って立場で控除があるってのだとしたら、やっぱり変じゃない。未成年の子どもなら社会的に次世代を養育している意味があるけど。
「内助の功」というなら、その対価を「功」を受けた人が払って損金出落とすのが本来って、小泉系の保守派なら言うべきじゃないかな。

投稿: kuroneko | 2010.11.30 00時14分

配偶者控除は実質的に独身者差別、自立抑制税制だと思いますよ。

家事専業労働を必要経費とみなすのって、だいぶ無理っぽい。家事は共働きも独身者もやっている(または弁当買うとかして支出している)ものですから。
仕事をし自立している人の家事は評価せず、家事専業者の家事だけ評価する…それはヘンです。
配偶者控除は実際に家事してなくても適用されるので…やっぱりヘン。

家事だの内助だのにかこつけず、最低限の生活費控除として基礎控除に一本化、大人一人に一つ、が私のオススメです。

投稿: kiriko | 2010.11.30 23時59分

>家事専業労働を必要経費とみなすのって、だいぶ無理っぽい。
ですから、独身者は家事代行サービスを使って、それを
必要経費として計上できればいいんじゃないかなあ。
あるいは介護サービスの購入も控除される。
 (家事代行サービスが繁盛して雇用創出にもなる)
 片方の家計(独身者他)の支出は生活費そのものとして、片方の家事サービス(主婦業)は控除の対象というわけにはいかないでしょ。
 ともかく「身分」あるいは「立ち場」が控除の理由にならなければいいんではないかしら。

投稿: kuroneko | 2010.12.01 02時05分

>必要経費として計上できればいいんじゃないかなあ。

現状、自分で税申告しない給与所得者も、領収証を取っておいて自分で計算して申告しましょう、ってことですね。税務署はちゃんとチェックするなら人手がもっと要るでしょう。つまり公務員を増やさないといけないです。
給与所得者(公務員、会社員、パート、バイト、派遣、等)がそれだけ手間かけても良い、公務員減らせ減らせと言う有権者、議員さんなどが「それで良い」というならいいかもしれません。
自分で申告することで、税金の基礎知識も普及しますし。

まあしかし、家事代行サービスは自分でする( or弁当や総菜を買う)より高価なので、そんなのに金を使える「経済的余裕のある人」になんで控除せなあかんねん、という話になるかと。

投稿: kiriko | 2010.12.01 04時53分

kirikoさま

ネタエントリーにとどまらずネタコメントでもあるけど、半分は本気なのは、源泉徴収ってやめて全員確定申告するほうが民度が高まるのではないかなあと思うのですが。
企業のコストも減るし、個人用税務会計ソフトが売れるとか、いいこともあるような。

投稿: | 2010.12.01 10時35分

上のコメントはkuronekoさんですね。

源泉徴収は、1940年代、戦争体制で始まったものですね。効率性と脱税防止には良いけれど、ずっとこのままで良いのか、疑問はあります。
納税番号制や「社会保障と納税」の一体化とともに論議すべきかなと思います。

投稿: kiriko | 2010.12.01 19時42分

はい。すみません。名前入れ忘れて。

源泉徴収って40年体制なんですねえ。
日本人の「会社」依存のファクターになっているような気もする。
ただ、なんでも自己責任みたいな議論で、「確定申告」絶対論をするのに躊躇も感じますけどね。

投稿: kuroneko | 2010.12.03 11時28分

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