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2010.12.03

給付つき税額控除 具体案の提言(東京財団)

「給付つき税額控除」を継続的に検討していた東京財団(事業仕分けの提言者でもある)。
具体案が8月に出ていた。

政策提言「給付付き税額控除 具体案の提言~バラマキではない「強い社会保障」実現に向けて~」--東京財団

提言内容はこちら→http://www.tkfd.or.jp/admin/files/2010-07.pdf

諸外国の税額控除政策をふまえ、日本での具体案を提言している。

提言の中から、児童手当に関する記述を引用する。

諸外国にみられた「控除から手当へ」という動きに関しても、1980 年に、中央児童福祉審議会において、諸外国の動向も踏まえて税制の扶養控除と児童手当の調整を図り、扶養控除に代えて児童手当を拡充する検討の必要性を提起する意見具申が行われたが、国民の理解を得るには至らなかった。
こうして、「控除から手当へ」という諸外国の動向に反して、我が国では、2000 年までは、扶養控除が拡充される一方で、児童手当は支給対象児童を拡げつつ(第3子以降→第2子以降→第1子から)、対象年齢を縮小して(中学校卒業まで→小学校入学前まで→満3歳まで)存続する道を辿った。
(提言p.51)

70年代以降、欧州各国では「控除から手当へ」と転換が図られたが、日本では子ども(子育て)に手当を支給することに理解が少なく、一方で扶養控除が拡充された(高所得層の減税拡大)…とのことである。

格差拡大、貧困の増加、少子化が大きな問題になっている現在でもなお、「子ども手当はバラマキだからやめろ!」の声大きく、2、30年前と変わらないってのが…。
80年代には、手当も拡充しなかったが、保育所への国庫負担割合も減らした(国8割→5割)。つまり、現金支給の代わりに現物サービス(保育所充実)に力を入れたというのでもない。
要は、景気の良し悪し、税収の多寡にかかわらず、児童・子ども支援は扶養力のある高所得層に偏っていた(いる)ということだね。

また、提言では、現物支給(保育所整備等)の充実を行うのが今の世界的な潮流であることも述べている。
従来、現金支給による支援が中心だったフランス、ドイツは、近年では保育サービスや育児休業支援を拡充しており、もともと保育や両立支援の大きい北欧型の政策に近くなっているという。

日本のこれまでの政策--現金支給も現物サービス(保育等)も手薄で控除を重視する「稼ぐお父さんがんばってね~、せいぜい減税しますから」政策は、何周の周回遅れなんだろう、感がある。

※「給付付き税額控除 具体案の提言」は、「児童・家庭政策」のほか、「ワーキングプアへの生活支援」「消費税」「環境税」との関連で給付付き税額控除政策を提言している。100ページもある大作なので、じっくり読みたいと思う。

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