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2013.08.09

中央児童会館建て替えをPPP(官民恊働)で行うと税金節約になるの?(1)

福岡市、中央保育園の移転問題。
移転の理由は「保育園側の事情」でも「待機児童解消」でもない。

保育園が併設されている市立児童会館の建て替えを「PPP(官民恊働)で行う」ためだ。

現在地をPPP-「定期借地・賃借入居方式」によって民間企業が商業ビルに建て替える。
児童館がそのビルに入居し、賃借料(家賃)を払う。
保育園は園庭が必要なため、ビルに入居できない(ビルは敷地いっぱいの容積にしたい)。

…というわけで、保育園は移転することになった。
児童会館の土地は市有地。企業がビルを建て、借地料(土地代)を市に払うことになる。

市 ←借地料←企業
市 →賃借料→企業
期限は30年間
現在の建物解体撤去費用は市の負担
商業ビル建設費用・維持管理費用は企業負担
市が使うフロアの内装工事費用は市の負担(4億円)

■なぜ「PPP」が出てきたのか

平成23年くらいまで、児童会館・保育園の建て替えは従来の方法で市が直接建て替えることになっていた。
(この建物は昭和45年築で老朽化が進み、建て替えが必要だった)

平成24年頃(福岡市長に高島宗一郎氏が就任)、PPP手法を用い、定期借地・賃借入居方式で建て替えることに決まった。

〈PPP--定期借地・賃借入居方式を用いるメリット〉
・市は建て替え工事の大きなな予算を必要としない
・多額の起債(市の借金)をしなくてすむ…費用の平準化
・建物のメンテナンスを企業が負担するため、市がかけていた維持管理費を減らせる

→全体的に、市の税金支出を圧縮して公共施設の整備ができる

公が施設を作って運営を民営化する「公設民営」の逆、
民が施設を作って運営を公が行う「民設公営」である。

この方法で税金を節約できるなら結構な話だ。

問題は賃借料(家賃)と借地料(土地代)の兼ね合いだろう。

中央保育園移転に反対する保護者が作成したサイト
中央児童会館の事業を計算するとまったくメリットのない事業である!

によると、
福岡市が企業(ビル建設者)に払う賃借料は28.8億円(30年間の契約)
市が同企業から受け取る借地料は16.3億円(同上)
差し引き12億円、市のマイナスになるというのだ。

市の建設費負担がなくなるとはいえ、その後30年間、結構なお金を払うことになる。

その上、保育園は別の場所に移転。土地の購入費、園舎建設費が別途かかる。
保育園は私立(社会福祉法人)だが、福岡市は今回約9億円で土地を購入した。園舎建設費は国・県から助成金が出るが、市も補助金を出す。

PPPの目的は、税金支出の圧縮ではないのか?
これでは圧縮にならず、かえって支出が大きくなるのではないか?

なぜこんな方式を市は採用したのだろうか。

〈つづく〉

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