社会

2009.12.13

子ども手当--地方自治体負担に反対する知事たち

「子ども手当の財源の一部を地方自治体に負担してほしい」
という案に対し、7府県の知事が反対を表明。「強行するならボイコットする」と言ったそうだ。
(神奈川・大阪・群馬・静岡・和歌山・岡山・宮崎の知事)

これは「子ども手当は国が出す、とマニフェストで謳ったはず。自治体にも負担せよというのは約束違反だ」ということかな。
約束を守るべきだというのはまあそうなんだろうが…。

しかし、それでは、その知事さんたちは、従来の児童手当にはどう対応するつもりなんだろう。

「子ども手当」の類は民主党が初めて実施する政策ではない。
自公政権では「児童手当」を出していた。
平成21年度予算で 総額1兆160億円、対象人数は1148万人。0歳〜小学6年生まで。所得制限あり(子ども2人で年収860万円までの世帯)
財源は 国:2692億円、地方自治体:5682億円、事業主拠出金:1786億円

民主・社民・国民新党政権が子ども手当を実施すれば、当然この児童手当は廃止、というか、子ども手当に替えられることになる。
だったら自治体・事業主も同程度の額を負担して良いんじゃないの?

「ボイコットする」って…
つまり、「ウチの県(府)は1円だって出さないぞ」ってこと?
児童手当はどうするの? 政権が代わったんだから「それも負担しないぞ」なの?
じゃあ、政権交代しなかったら出すはずだった児童手当分、出さなくて済んでしまうのかいな。
なんかよくわからない話だなあ。

自公政権の児童手当のときはどうだったんだろう。自治体はみんな賛同してたのかい?
賛同なのかシブシブなのか無理無理なのかはともかく、自治体が負担していたのは事実だよね。
その分を国がまるまる出すことで、自治体はその負担金を他の育児支援策に使えるという目算があったのかもしれないが(保育所が足りないなどの問題はあるし)。
それとも自治体の児童手当負担がなくなって、支出削減できるとホッとしていたのか。

神奈川県の松沢成文知事は

衆院選の民主党マニフェスト(政権公約)を手に「子ども手当に、地方負担を求めると書いてない。発言を撤回していただきたい」と声を張り上げた。
神奈川新聞社:カナロコ ローカルニュース より)

と言うのであるが

松沢知事は、普天間の移設問題では

「県外、国外の移設は不可能だと思う」との認識を示し、現行のキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)への移設計画を実施すべきだとの考えを表明した。
神奈川新聞社:カナロコ ローカルニュース より)

てなことも言っていたのである。
民主党のマニフェストで「見直す」と書いているものを「見直すべきでない」と。

ふ〜〜ん…

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2009.10.02

「八ッ場ダムは工事が70%進んでいる」のインチキ

TV報道をなんとなく見ていると

「八ッ場ダムは工事が70%進んでいる」

というのが事実のように感じてしまう。

それじゃあ、もったいないんじゃないか?
そこまで進んでいて「中止」(by前原国交大臣)なんて、あんまりじゃない?

…と思ったら、これが大間違いなのだよね。

ダム工事が70%完了した、という話ではないのよ。
予定の費用(あくまでも予定)のうち、70%使ったらしい、ってだけのこと。
工事が実際にどれだけ進んだかはまた別の話。

工事の進捗率は次のようである。

本体   0%
付替国道 6%
付替県道 2%
付替鉄道 75%
代替地造成 10%
(出典は「八ッ場(やんば)あしたの会」サイト)

あれま。ダム本体、全然できてないじゃん。
道路や鉄道や代替地の整備などもダム建設に伴う事業ではあるけれどね。

予定費用の70%を使いながら、ダム工事は全く進んでいないというのも凄い話で、これはよくあることだが、大型公共事業は当初予算よりどんどん膨れあがってしまうのだ。
上記サイトによれば、八ッ場ダムの工事はそもそも(政権交代に関係なく)大幅に遅れていて、現段階では平成27年度(2015年度)完成予定だが、本当はもっと遅れるだろうとのこと。
建設費用も4600億円ではすまないだろう。

予定の費用の70%を使ったから工事が70%進んだ、なんて、誰がこんなことを言い出したのだろう。
数字のマジック、というのもお粗末なほどのインチキ数字だわな。

※工事が70%進んだと言ったのはこの人かな? ↓(魚拓)
(言い出しっぺかどうかは未確認)

NIKKEI NET(日経ネット)

石原知事は「7割もできているプロジェクトをやめる意味合いが感覚的に理解できない」と述べ、建設中止に改めて疑問を示した。

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2009.09.13

配偶者控除とはどんなものか--論文紹介

配偶者控除について、よくまとまった論文があるので紹介します。

租税資料館賞 第17回入賞作品(「租税資料館」サイト)

北村 美由姫 「配偶者控除についての一考察」−人的控除の再構築に向けて−
(文京学院大学大学院 院生)
※論文はPDF(1.28MB)

同論文の紹介より引用

 そのような状態を前提とすると、配偶者控除には、次のような問題点がある。まず、「妻の座確保」のためという存在意義が希薄化してくる。また、少 しでも多くの生活費を得るために働かざるをえない低所得階層は103万円の制限を超えて配偶者控除の適用を受けることが制限され、配偶者控除は所得再配分 の機能を果たせず、高所得者階層を優遇する結果になっていること、女性の社会進出が妨げられていること、などの問題があることである。

 そこで、今後の人的控除の在り方として、配偶者控除、扶養控除を廃止し(統計によると、高所得階層の方が扶養控除の適用割合が高いことを示している。)、扶養控除に代わる代替案(児童手当)で対応し、基礎控除に集約させるとする。

さらに、筆者は「移転的基礎控除」制度を提案する。

また、この基礎控除も、扶養家族間全員になっていること、かつ、控除しきれなかった基礎控除額を家族の他の構成員に移転適用することを提案している。

配偶者及び同居親族に対し、1人につき基礎控除1回分を適用させる提案である。

この案では、家族の全員に対して基礎控除を適用することになる。収入があろうがなかろうが、また収入の多寡にかかわらずである。

これまで配偶者控除が“便宜的に”代用してきたことを、こうした提案で解決できるのではなかろうか。そして、配偶者控除で生じる弊害(主婦が労働調整してまで自分の収入を抑えてしまうこと。103万円以下のパート主婦世帯は基礎控除分を二重取りしていること)がなく、どのようなライフスタイルにも中立的である。

今後の税制を考えるとき、検討されるべき意見だと思う。

配偶者控除廃止→増税だ〜!ばかりを見るのでなく、落ち着いて考えてみたい。

※ボリュームのある論文なので読むのは大変ですが、過去の経緯の資料も豊富で貴重な内容です。

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2009.08.22

配偶者控除は低所得層に多いのか?(その3)

■申告納税者の所得階層別・配偶者控除適用率

申告所得税標本調査結果 (国税庁>統計情報)

第10表 扶養人員別表 Excelデータより計算

所得    配偶者控除適用率
70〜100万  2.4%
100〜150万 23.5%
150〜200万 37.3%
200〜250万 44.2%
250〜300万 39.2%
300〜400万 37.2%
400〜500万 33.7%
500〜600万 32.7%
600〜700万 34.8%
700〜800万 35.2%
800〜1000万 36.9%
1000〜1200万 35.8%
1200〜1500万 39.6%
1500〜2000万 35.4%
2000〜3000万 32.8%
3000〜5000万 26.7%
5000万〜   25.1%

============
これも、確かに所得5000万円超は200万〜5000万円までの階層より配偶者控除適用率が低い。
そして、150万円以下より高い。低所得と言える100万円以下は2.4%という低さだ。給与所得者と同じ傾向が見て取れる。

■申告納税者の「所得200万〜250万円」は低所得者か?

前にも書いたが、所得と収入は違うので、1年の給料総額が200万〜250万円というわけではない。

同じデータの「第2表 所得種類別表」から、どんな種類の所得なのかがわかる。

「所得階層200万〜250万」の所得種類内訳と人数

所得種類  人数
営業  239,649 ←いわゆる自営業。お店・事務所・工場等の経営
農業    56,778
利子         548
配当     16,986
不動産  200,191
給与   343,993
総合譲渡   2,643
一時所得 21,706
雑所得 557,174(そのうち公的年金等 522,806)
山林    239
退職    108
分離短期譲渡  580
分離長期譲渡 9,024
株式譲渡 10,101

===============

最も多いのが「年金収入を得た人」である。

年金収入から「所得」を計算する式はこちら(公的年金等の課税関係 国税庁)。

所得200万〜250万というと、年金320万〜380万円くらいになる。
これはかなり高額なほうだ。

※参考:地方公務員の年金平均受給額 278.4万円(年間)
    会社員の年金平均受給額 202.8万円(年間)
    第1号被保険者・満額 約79万円(年間)

現役時代の給与もだいぶ高かったと思われる。その時代も配偶者控除の適用を受けていた人が多いだろう。そして、今も妻に70万円ほどの年金収入があるのであれば、夫婦の収入は400万円前後になる。

300万円以上の年金収入がある人を「低所得者」と見るのは無理があるのではなかろうか。

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2009.08.21

配偶者控除は低所得層に多いのか?(その2)

ゆうくんパパさんよりコメント

元のデータは国税庁の「平成19年分申告納税者の実態」です。
国税庁のホームページの「統計」のところにあります。
エクセルデータでダウンロードできますから、計算してみてください。

  *  *  *

なお、民間給与所得者についても、最新の平成19年分のデータで、年末調整をしていない年収2500万円超の納税者のデータまで使って比較すると、高額所得者で配偶者控除の適用率が低くなっているのがわかります。
このデータも国税庁ホームページの「統計情報」のところにあります。

そこのページは前から見ています。いくつもデータがあるから、「どのデータの、どの数値」かを示していただきたかったのですが…(それを特定しないと人によって違う計算しちゃう可能性がある)。

それはともかく、私は計算好きなので(笑)計算してみた。

■民間給与所得者の場合

「民間給与の実態調査結果」(国税庁>統計情報)

第17表 給与階級別の諸控除 Excelデータより計算

給与階級    配偶者控除適用率

100〜200万円 3.4%
200〜300万円 9.4%
300〜400万円 17.2%
400〜500万円 27.4%
500〜600万円 37.4%
600〜700万円 46.5%
700〜800万円 54.6%
800〜900万円 57.7%
900〜1000万円 61.5%
1000〜1500万円 65.0%
1500〜2000万円 62.7%

(年末調整していない)
2000万〜2500万円 44.6%
2500万円超 38.1%

============

なるほど、確かに「2000万円超」は「600万〜2000万円」よりは低い。
(600万円以下の層より高いが…)

私は年収1000万〜2000万円の層はもちろん、400万円以上も「低所得」とは思っていないので、この計算から「低所得層に配偶者控除適用率が高い」とは言えないと考える。上の計算から言えるのは

低所得層→配偶者控除適用・低

中所得層→徐々に高くなる

高所得層(1000〜1500万)→最高

超高所得層→中所得層並みに下がる

でしょう。

注:上のデータは平成19年のもの。

「第17表 給与階級別の諸控除」Excelデータの「その1の1」シート 
控除対象配偶者数 ÷ 給与所得者数(納税者)により算出した。

年末調整していない2000万〜2500万円、2500万円超 のデータは、同じページの「第19表 給与階級別年末調整を行わなかった給与所得者数・給与額・税額」Excelデータ「その3」シート
控除対象配偶者数 ÷ 給与所得者数 により算出。

この給与所得者数には独身者も含まれるため、前回エントリのグラフと比べて、特に低所得層の配偶者控除適用率が低く出ている(独身者は低所得層に多い傾向があるから)。

注2:そもそも配偶者控除の廃止は「超高所得層の増税」が目的ではないのだが。「配偶者控除は金持ち優遇だから廃止するんだろう」という捉え方は的を射ていないと思う。

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2009.08.20

配偶者控除は低所得層に多いのか?--配偶者控除と所得階層

民主党のマニフェスト--子ども手当と配偶者控除・扶養控除」にいただいた、ゆうくんパパさんからのコメント

国税庁の申告納税者の統計では、所得200~250万円の納税者は44%が配偶者控除を適用されていますが、所得5000万円超では25%しかいません。
たぶん、金持ちの奥さんは、旦那の会社の役員になったりしていて、配偶者控除はもともと関係ないんだと思います。
配偶者控除を廃止したら、困るのは金持ちではなくて低所得者です。

(コメントから一部引用)

このデータが気になるので新しいエントリを書きます。

■申告納税者とは?

「申告納税者」とは、一般の給与所得者(税金を源泉徴収されている人)でなくて、自分で税金申告する人(自営業・農業・不動産や利子や配当所得がある人、給料の高い人〈2000万円以上〉、等)のことだと思う。

だとしたら、「所得200〜250万円」の「所得」とは、「年収」「収入」のことではない。

■所得と収入は違う

所得と収入の関係:
自営業者の所得= 収入(売上金額)− 必要経費
給与所得者の所得=収入(給与)− 給与所得控除

当然、収入>所得 になる。
「所得200万〜250万(円)」は「収入200万〜250万(円)」とは違うことを踏まえるべきと思う。

自営業の場合は事業内容によって必要経費がいろいろなのだが、給与所得者は収入により給与所得控除が定められていて、所得200万〜250万円は収入312万〜380万円に相当する。夫婦二人で収入312万〜380万円を「低所得」と言うかどうかは微妙かと。
(もし妻がパートで100万程度の収入を得ていれば合計収入は400万を超える。その場合は低所得の部類に入らないだろう。それでも配偶者控除対象だけど)

■所得250万円と5000万円超の「間」は?

所得が5000万円超というトンデモなく高収入の例が出されているのだが(麻生首相の年収より多い)、では200万〜250万と5000万〜の「間」の配偶者控除適用率はどうなのだろう?

データの出所を示していただけるとありがたいのだが…。
ネットで調べても、申告納税者の所得階層別・配偶者控除適用率は見つからなかった。
その代わりにこういうデータがあった。

政策効果分析レポート No.15 個人所得税の課税ベースと税負担について」
 図表3/4(PDF)
Haigusya

諸控除(配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除・住宅借入金等特別控除・生命保険料控除)の所得階層別適用者割合のグラフ。

水色が配偶者控除、赤紫色が配偶者特別控除を表す。横軸は給与階級(所得でなく収入)。配偶者控除・配偶者特別控除は有配偶者に占める割合。

国税庁「税務統計から見た民間給与の実態」2000年、厚生労働省「国民生活基礎調査」2000年より作成。

民間企業に雇用される給与所得者のデータだから、ゆうくんパパさんがおっしゃった「申告納税者」とは対象が違うようだ。給与階級に5000万超レベルは入っていない(最高は〜1500万円)。

このデータを見ると、全体的に高所得者のほうが配偶者控除の適用率が高い。配偶者特別控除は〜1500万円レベルでガクンと下がるが、これは配偶者特別控除が所得1000万円以上に適用されないためだ。

給与所得者は次の事情があるため、配偶者控除のメリットが高い。

・年金保険の扶養家族になれるので、配偶者は保険料負担をしない(年金、健康保険、介護保険←40歳以上)

・会社から扶養家族の手当が出る。税金の配偶者控除対象を条件に手当を出す会社が多い。

ただし、上記は給与所得者が正社員の場合である。非正規で社会保険非加入の人にはこうしたメリットはない。

また、配偶者控除は所得控除なので、税率の高い階層(=給料が高い)のほうが減税額が大きい。所得税率5%の層→1.9万円、税率10%の層→3.8万円、税率20%の層→7.6万円、…税率40%の層→15.2万円

正社員、特に給料の高い社員にとって、配偶者控除は税金減額でもその他でも「おトク」があるのだ。上のグラフで「給料の高い層のほうが配偶者控除の割合が高い」のは頷けることである。

■申告納税者は事情が違うのか?

申告納税者(自営、農業、不動産・利子・配当所得、高給…)は給与所得者とは違って低所得者のほうが配偶者控除適用が多いのだろうか?

たぶん、金持ちの奥さんは、旦那の会社の役員になったりしていて、配偶者控除はもともと関係ないんだと思います

(ゆうくんパパさん)

「金持ち」に限らず、自営業・農業者は配偶者を「専従者」にできる。青色申告でも白色申告でも専従者の給与は配偶者控除額(38万円)よりずっと高くできるのだから、夫婦でお店や農業をしている人に配偶者控除を使うメリットはない(配偶者も働いているのだから労働対価を出すのが当然だし)。

ともかく、「申告納税者の統計」で「所得200万〜250万の配偶者控除適用は44%」といったデータの元がわからないことには、何とも言いようがない。
ゆうくんパパさん以外の人でもいいので、元データがおわかりになる方はぜひ教えてほしい。
 

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2009.08.18

民主党のマニフェスト--子ども手当と配偶者控除・扶養控除

民主党マニフェスト:子ども手当・配偶者控除・扶養控除について。

私は「配偶者控除廃止」「扶養控除の一部廃止」に賛成する。

配偶者控除・扶養控除の廃止が子ども手当の財源として説明されたため、

「単に名目を変えただけじゃないか」とか、
「子どもがいない世帯は負担が増える」とかの声があるが、それはちょっと違うだろう。

■名目を変えただけなのか?

→何を(経済的に)支援するか、考え方の転換がある。

配偶者控除・扶養控除は「無収入配偶者・無収入親族を扶養する人」の税金を安くして支援するもの。

子ども手当は「子を育てている人」を支援するもの。

意義が異なっている。

■子のいない世帯は負担が増えるのか?

一部は当たっているが、子どものいない人みんなが負担増になるわけではない。

配偶者控除廃止により、負担が増える世帯(子どもナシ):
 配偶者を扶養し、一定以上収入のある人の世帯

配偶者控除廃止によっても負担が変わらない世帯(子どもナシ):
 共働き または 独身 
 低所得

そういえば「老親を扶養している人の負担が増えるじゃないか」という意見もあったが、扶養控除の「全廃」ではなくて「特定扶養控除」と「老人扶養控除」は継続するそうである。

現行の「配偶者控除」と「扶養控除」は廃止するが、16歳以上23歳未満の「特定扶養控除」と70歳以上の「老人扶養控除」は廃止せず、現状のままとすると説明
(民主党サイトより)
http://www.dpj.or.jp/news/?num=16721

したがって、扶養控除廃止により負担が増えるのは

23歳以上70歳未満の親族(配偶者を除く)を扶養し、一定以上収入がある人

になる。

障害を持つ親族(23歳以上70歳未満)の場合は「障害者控除」が適用される(民主党は障害者控除廃止を打ち出していない)。

  *  *  *

子ども手当とかかわりなく、配偶者控除・扶養控除(一部の)は廃止の方向が良いと私は思っている。

現行の控除は、例えば
夫(年収)500万・妻専業主婦・子を養育していない→配偶者控除あり
夫(年収)200万・妻(年収)150万・子を養育していない→配偶者控除なし
親(年収)2000万・子(独身・健康・無職・成人・非学生)→扶養控除あり
というもの。こっちのほうが問題ありじゃないかと。

税金が増えることに反発を感じるのは人情として仕方ないが、「子ども手当」も「配偶者控除」も「健康な大人を養う扶養控除」もみんなアリ、では、それこそ選挙目当て、財源無視のバラマキじゃあないのかな。

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2009.03.21

授業料滞納と卒業証書--それってモンスターペアレント?

高校、授業料滞納で「卒業証書を渡さない」の怪 の続き。

島根県安来高校の「授業料を滞納したら卒業証書を渡さない」という通知は、

卒業までの期間が約6カ月を切った時期の滞納対策なのかな

と前回書いた。

学校が念頭に置いたのは、あくまでも「時期」であって、特定の長期滞納者対策ではなかったのだろうと思う。
なぜなら、3年生全員の保護者あてに通知しているからだ。それまでキッチリ納付していた保護者も含めて。
滞納を続ける困った親に業を煮やし、卒業証書を渡さないという強い姿勢に出た、という話ではない。

学校は「2月には2・3月分の授業料をまとめて引き落とす。これを滞納すると卒業証書を渡さない」と通知した。 つまり、これまでキッチリ納付していても、たまたま2月に滞納が生じたら卒業証書アウトですよ、と。
(もちろん、以前の滞納が残っている人が2月引き落とし分だけ払っておく、というのもダメだけど。完納しないとアウト)

ネットではこのへんを誤解しているらしき主張がしばしば見られる。
「ずっと滞納するようなバカ親に毅然と対応したんだ。よくやった!」みたいな。

私がどうにも違和感を持つのは、この件で滞納問題を「バカ親(アホ・ゴネ得・モンスターペアレント)」vs 学校 という図式でばかり見たがる人が少なくないこと。

滞納=バカ親なの? 残高不足で引き落とし不能が1回でも生じたら滞納ということになるけど、それはそんなにもバカ・アホ・モンスターなことなの?
引き落とし不能なんてそう珍しいことでもないし、バカだアホだと糾弾されるほどの悪事でもないのだが(無論引き落とし不能にならないよう注意するほうが良いが)。
未納(滞納)といってもいろんな程度がある。「1回引き落とし不能」から「数年間滞納して督促無視」「全額不払いで夜逃げ」までいろいろだ。

この高校の事例、報道では長期滞納や督促無視の親の話は出ていない。そういう親がいたかもしれないし、いなかったかもしれない。いるかいないかわからないのに「バカ親の話」と決めてかかって「証書を渡すべきでない」挙げ句は「退学させるべき」とか。
なんだかなぁ〜〜。

2月納付分が滞納になってしまう→たまたまその時引き落とし不能になるケース(それまではキチンと納付していた)だってあるんだよ。

そういうケースでも「証書渡しませんよ」と通知したことが問題になったんだけど。長期滞納とかの「困った保護者」(いわゆるバカ親)への対応は、別途やってきているんで。

(参照:島根県教育委員会の回答

たまたまだろうがなんだろうが、引き落とし不能を起こすヤツはバカに決まっている。卒業証書を渡さないくらい当然だ。とお考えの方は、各種料金支払いが1回でも引き落とし不能になった場合は、延滞金程度でなく、もっと厳しいペナルティを自ら課していただきたく(例:家の電気を使わない、携帯・ネット不使用 等)

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2009.03.20

高校、授業料滞納で「卒業証書を渡さない」の怪

「高校の授業料を滞納している生徒には卒業証書を渡さない」という話が、一部ブログ界で盛り上がっていた。

発端はこれのようだ。→ YOMIURI ONLINE 2009年2月28日(魚拓)

島根県立安来高は、1月20日、3年生約150人全員に保護者あてとして「授業料を期限までに全額納付しない場合、卒業証書を渡さない」と書いた文書を配布。

県教委は2月26日付で「未納を理由に卒業証書を授与しない取り扱いはできない」とする文書を全校に通知した。河原一朗・高校教育課長は「授業料滞納と卒業証書の授与は別問題で、卒業証書を人質に取ったと批判されても仕方がない対応だった」と話している。
(上記YOMIURI ONLINEの記事より抜粋)

その後の報道で、同じように「授業料滞納の生徒に卒業証書を渡さない」とか、「卒業式でいったん渡したあと学校が回収し、授業料が納付されたら生徒に渡す」という措置をとっている学校が同県や他の自治体の公立・私立高校にもあることが判明した。

これについて、ネット、ブログでは賛否両論があった。

「授業料納付義務を果たさないなら卒業証書を渡さないのは当然だ。島根県教委はおかしい」

「滞納は親(保護者)の責任。その結果を子どもに帰するのは良くない」

等々。

法律論やら教育論やらモラルの問題とかいろいろ出ているのだが、話が錯綜している気がするので、整理してみた。

■卒業証書を渡さない=卒業を認めない(退学扱い) なのか?

ネットで調べた限りでは、卒業証書を渡さないからといって、その生徒を退学(or除籍)にする、高卒資格取り消し、ということではないらしい。

あれ? それじゃ、滞納しても高卒資格には影響しないってこと?

冒頭に挙げた「卒業証書を渡さない、もしくは回収」措置のみであれば、卒業資格には影響ないようだ。

ただし、滞納→保護者に督促→一定期限を過ぎても払わない&免除手続もしない→出席停止を通知→それでも払わないと出席停止→それでも払わないと退学を通知→退学

ということはある。(例えば鳥取県の規定「鳥取県立高校の授業料未納に対する取扱要領」について:PDF)

この場合、滞納して1カ月やそこらで退学させるわけでなく、納付期限後6カ月経過し、今後の納付見込みもないと判断された場合に退学処分になる。

他の自治体や私立高校ではどんな規定なのかまだ調べてないが、退学処分に至る過程や期間の長さはそれほど違わないのではないか。最近聞く「敷金ゼロの賃貸アパート、1カ月滞納ですぐ出て行かされる」なんてセッカチなことはあるまい。

…で、だいたい6カ月程度が「納付を猶予する期間」だとして、件の卒業証書渡さない事例を考えると、島根県立高校は「2月に2・3月分の授業料を納付するよう通知」しているので、そこで滞納があっても3月の卒業式で「この生徒は滞納につき退学処分」の決定をくだすには早すぎるのである。

では「卒業証書渡さない」は一体なんなのか?

卒業までの期間が約6カ月を切った時期の滞納対策なのかな、と思う。

卒業してしまったら出席停止も退学も意味ないし。生徒が学校に来ないので連絡をとるのも大変だ、煩わしい。といったあたりかと。

■「卒業証書を渡さない」=ルールを守らせる、ゴネ得許すまじ…か?

そうすると、卒業証書を渡す/渡さないに焦点をあてて、「ゴネ得を許すことになるから卒業証書を渡すな」という主張は、いささかズレているのではないか。

長期にわたって滞納し、納付する気もないモンスターペアレント的な保護者に対しては、上に挙げた規定(納付しないと停学→退学処分)で対応しているし、島根県にそうした規定がなかったのなら整備すればよいことになる。

また、その規定に照らせば、2月に滞納して3月に退学処分・卒業資格取り消しではおかしい。一般の公共料金でも1回滞納(残高不足で引き落とし不能)で即電気を止められるとか、そんな厳しいわけではない。敷金ゼロのすぐ追い出されるアパートか高金利の金貸しくらいなもんでしょ、厳しいのは。

ルールを守れというなら、6カ月程度の猶予期間を定めておきながら、卒業の前月の滞納だけ猶予を1カ月にしちゃうなんて、それこそルール違反。

仮に卒業式の少し前で滞納があったなら、卒業式当日はまだ「納付してくれー」と督促する段階であり、生徒は退学処分までされることはなく、卒業証書を受け取って悪いことはないのだ。

島根県教委の「授業料滞納と卒業証書の授与は別問題」とは、まさにその通りではないのか。

※なお、文部科学省の見解は以下のようである。

文部科学省の担当者は学校教育法の施行規則で、公立と私立や授業料の滞納の有無にかかわらず、校長には教育課程を修了した生徒への卒業証書の授与が義務付けられているとし「滞納と関連付けるのは不適当」と指摘している。
山陰中央新報 2009年3月12日 島根ワイド(魚拓) より)

それに、証書を渡さなくても卒業(高校の課程を修了)自体に影響ないのだから、本当に悪質でゴネ得してやれっていう親に対しては効果ないんじゃないかな。
実際、卒業証書は卒業式で受け取って以降、使やぁしないし。履歴書に「○○高校卒業」と書いたら採用担当者に「卒業証書持ってこなければ信じない」と言われた人なんていないと思う。

なくても支障ない卒業証書で「悪質な踏み倒し」を防げるとは思えない。

罰則のない労働基準法違反規定では悪質な企業の違反を防げないのと同じだ。

(この話、続く予定)

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2009.01.21

映画「感染列島」--たくさんあれば良いってもんじゃない

映画「感染列島」(東宝・TBS)を観た。

とにかく、すごい映画だった。

何がすごいかって…

ご都合主義が(笑)

それと、アレコレ詰め込み過ぎだ。

・人気の妻夫木聡の主演でいきたい
・パニック・ムービーにしたい
・ヒューマン・ドラマにしたい
・感染爆発(パンデミック)の恐怖
・疫病と人類の戦い
・ラブストーリーで感動を!
・家族愛・人と人のつながりで感動を!
・医療現場を描きたい
・貧困問題を入れたい
・環境問題も入れたい
・風評被害など今の社会への警告
・推理サスペンスな展開
・Dr.コトーも良い
・政府・官僚・アカデミズム批判
・スケールの大きさ

……

いっぱい入れれば良いってもんじゃないっつーの。

とりあえず、一番上の狙いだけはうまくいったようだが。

あとはたいてい中途半端。
入れすぎて逆効果。
ストーリーが無理っくり。
感染爆発も描けていないし、人間も描けていない。

制作したTBSのサイトによると、

このオリジナル脚本の日本映画に、20数カ国におよぶ配給オファーがあり、さらに、作品完成前であるにもかかわらず、ハリウッドメジャーがリメイクに意欲 を示すという異例の事態まで巻き起こった。

えー? ハリウッドがリメイクに意欲? そりゃまた何故?

しかし、次の文章を読んでナルホドと思った。

北村想さんのブログ「北村 想のポピュリズム--映画情報『感染列島』

この映画、海外でも上映されるのかな。映画の「感染が起きた東南アジアの地の描き方」に嫌なものを感じた私としては、とっても憂鬱。

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